比叡山延暦寺〝おみくじ〟発祥の地 /西本梛枝

  私の「滋賀一番」 西本梛枝 (2015年3月30日) ●比叡山延暦寺は〝おみくじ〟発祥の地   (大津市比叡山 延暦寺) 神社仏閣におまいりするとつい引きたくなるのが〝おみくじ〟。そのおみくじの祖は比叡山延 暦寺を中興した がんさんだいしりょうげん 元三大師良源という高僧。平安時代中頃(10 世紀中頃)経済的にも精神的にも 疲弊荒廃していた延暦寺を天台教学の場として立ち直らせ、僧はもとより多くの民に尊崇された 方だ。 おみくじは元三大師が観音さまから授かったという五言四句の げぶん 偈文百枚が起源。これを江戸時 代初めの僧 てんかい 天海大僧正が大師のお告げで発見。これが「元三大師 ひゃくせん 百籤 」となり、番号のところ に記された偈文を人々は人生の指針として頼みとするようになった。この元三大師百籤は次第に 天台宗以外のところでも使われるようになって、〝おみくじ〟として広まっていった。なので、 比叡山元三大師堂のおみくじは、自分が引くのではなく、お坊さんが引いてくれた籤を戴き、そ こに書いてあることの教えを受けて、我が心の指針とする。 ...
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芭蕉と近江/熊谷道夫

芭蕉と近江 (2015年3月13日) 松尾芭蕉が、膳所(ぜぜ)の地に埋葬されていることを知る人は多くないだろう。1694年、51歳のときだった。木曽義仲を祀る義仲寺(ぎちゅうじ)に埋葬されている。 芭蕉の遺言によるものだが、それほどに彼は近江を愛した。当時、義仲寺があった粟津が 原は、びわ湖に面し景勝の地であったといわれている。 ”行春を あふみ(おうみ)の人と おしみける” 人との出会い、別れ、無常は、芭蕉の句界にとってはなくてはならないものだったのだ ろう。なぜ彼があれほどまでに旅を重ね、そして”旅に病で 夢は枯野を かけ廻る”と まで詠んだのだろうか。決して満たされることのない、芭蕉の創作の意思だったのかもし れない。それは完成することのない彼の美学だったのだろう。 Jane Reichhold という人が著した「Basho - The Complete Haiku」という英文の本があ る。その中に  ”世の夏や 湖水に浮(うか)む 浪の上” という句が紹介されている。1688年の夏、大津で作られたものだ。 ”the summer world  floating ...
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びわ湖の夕照/田中三千彦

私の滋賀「一番」は琵琶湖の夕照です。快晴の日の夕刻、沈みゆく太陽は本当にきれい です。夕陽を見送り、すっかり暗くなるまでの湖面の変化を楽しみ、帰宅すると充実した 一日を過ごしたという満足感で豊かな気持ちになれます。写真は瀬田川河口近く、大津 市対岸の帰帆島にて撮影したものです。この時間は釣れるのでしょうか? 数人の釣り 人が糸を垂れていました。   田中三千彦 (2015年3月12日) びわ湖の夕照/田中三千彦 をPDFで見る HOMEに戻る
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