H2Oプロジェクト第5報

h2o-5

2015年11月19日

第 5 報     湖水浄化事業の状況報告

南湖岸辺の現状は水草だらけです。 水草は年々増えており、浮き草と根草が絡み水鳥がその上に立っても足元まで見えるほどです。プランクトンも増えています。 これらの有機物は秋にはやがて、沈み、溶存酸素を取り込み、時を経てヘドロと化します。南湖では表面上きれいになったようでも、温暖化と冨栄養化で毎年確実にヘドロの厚みは数ミリ増えています。  南湖ではどの桟橋でも、黒い湖面に棒を差し込むとブクブクとメタンガスと卵の腐った臭い(硫化水素)が沸き上がります。 また古希を迎えた方の話によると、昔は素足でシジミがいくらでも採れたとのことですが、今はその砂地も大幅に 減少し、ヘドロが堆積したため、固有種の瀬田シジミの収穫も当時の1/200以下に減少しています。  そこでこのヘドロ堆積という手つかずの課題に挑戦するため、“キレイを明日へ“の合言葉のもと、H23 年初めから、湖水 浄化プロジェクトとして、ナノバブルを湖中に投入しバクテリアの力をかりて、ヘドロを分解する実験に取り組みました。 その効果は漢方薬的で微力ですが、省エネの利点と合わせ、その効用は明らかになってきました。目下、経済的にヘ ドロ削減が成り立つか否かのエンジニアリングデータを構築している途上にあります。 最近、この活動のHPや新聞をみて北海道の河川、沖縄宮古島の海岸、徳島の埋め立て池の改善、地元高校放送部の取材など、問いの合わせや見学希望にも対応しています。中でも関東の女子中学生が修学旅行のテーマとして我々の 浄化活動を実際に見学し、「将来に役立てます」とのお礼状を貰い、むしろこちらが励まされています。 昨年度以来、西日本エリアパートナーズ倶楽部、滋賀県産業支援プラザの支援により、八幡堀に設置したナノバブル による浄化装置は、このお盆から、3ケ月の半日連続運転したのち、3 角形仕切り部(120㎡)の外と内の数か所のヘドロ 面深さの変化を測定した結果、仕切り内は仕切り外に比べ、ヘドロの厚みは26mm減少していました。 バクテリアの不活性な冬は休み、来春からはより効果的な濃縮酸素のナノバブルを投入して、運転を再開する予定です。

文責: 湖水浄化プロジェクト 高木理事

 

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