環境学習船 megumi に乗って びわ湖の中をのぞいてみよう!!

megumi

 平成24年5月20日9時30分快晴のもと、びわ湖の水を飲んでいる20家族(大人24人、小学3年〜6年の子供26名)とNHK「クイズで知るびわ湖」ロケ班やスタッフを乗せて、megumi号は大津港から出航した。



 まずは、琵琶湖大橋の桟橋で停船して、立命館大学の中島先生と西田さんによる透明度の測定やプランクトンの採集、同じく立命館大学でロボティクスを専攻している山本さんと河端さんによる水中カメラでの湖底の調査を実施しました。透明度は、白い円盤(セッキ板)を沈めて行き、円盤が見えなくなった深さを調べます。皆が注視するなか、2メートル20センチでセッキ板が見えなくなりました。水中カメラからプロジェクターへうまく画像が転送されないという思わぬハップニングがありましたが、megumi号は先に進むことにしました。


 次の目的地、多景島までの間、琵琶湖汽船(株)の中村さんから、太陽電池を搭載したエコ船megumi号の説明と「琵琶湖の深呼吸」についての解説のあと、色のついた冷たい水が水槽のなかで循環する実験に、子供たちは目をみはりました。



 琵琶湖で最も小さい島、4つの岩からなる「沖の白石」の横を通過して、定刻どおり多景島に着船しました。ここで上陸して、「南無妙法蓮華経」の文字が刻まれた「題目岩」や五角柱の青銅の塔「誓いの御柱」など散策を楽しみました。
 多景島港では、再度水中カメラで湖底を観察しました。今度は、湖底の植物がプロジェクターにくっきりと映し出され、名誉挽回です。



 出航して約45分後に、北湖湖心N局に到着です。いよいよ立命館大学の熊谷先生と河村さんによるRTV(ロボットカメラ)を用いた湖底観測です。ゆっくりとRTVを沈めていくと、約40メートルで真っ暗な世界になり、さらにライトをともしながら少しずつ沈めていくと約80メートルで湖底に到着しました。意外と湖底は泥が堆積し、RTVが動くと泥が視界を覆う状況でした。RTVのケーブルがmegumi号の舵に引っかかるというトラブルがあったものの湖底観測は無事終了しました。そして、熊谷先生から、湖底調査ロボット「淡探」による湖底調査のDVDを見せてもらいました。
 次に、中島先生と西田さんが、北湖での透明度の測定とプランクトンの採集を行いました。透明度は、5メートル50センチで、南湖に比べて3メートル30センチも透明であることが確認できました。そして、採集したプランクトンを顕微鏡で観察します。子供たちは、テーブルに置かれた図鑑と首っ引きでプロジェクターに映し出されたプランクトンの種類や名前を探していました。


 すべての調査を終了して、megumi号は白髭神社の鳥居のすぐ前を通るなど湖岸の風景を楽しみながら、一路大津港へ向かいます。船内では、びわ湖トラスト事務局長高木さんによる琵琶湖に関する「ナゾナゾ遊び」に興じました。そして、16時20分に大津港に到着しました。大津港桟橋で、NHKロケ班指導のもと、「びわ湖大好き!」のエールとともに記念撮影して解散しました。お疲れさまでした。 不慣れな点、準備不足の点が多々ありましたが、アンケートによると、多くの参加者から、楽しかった、勉強になった、びわ湖とふれあう良い機会となった、という意見をいただきました。また、行事運営の不慣れ、準備不足については、次回に改善をはかっていきたいと思います。 なお、本行事は、公益財団法人平和堂財団から全面的な助成を受け、そして共催していただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

(びわ湖トラスト理事 浅野昌也)